ここ数年、健康的でメリハリのある体形になれる「ボディメイク」が注目されています。しかし、試してみたいと思っても、何から始めれば良いのかわからない方も多いのではないでしょうか。
ボディメイクを成功させるには、トレーニングだけでなく食事改善なども必要です。目標やプランをしっかり立ててトレーニングをすれば、あこがれのボディラインを手に入れることができますよ。
この記事では、ボディメイクとダイエットの違いや効果、さらにトレーニング方法や注意点についても詳しく紹介しています。ボディメイクをはじめたいと思っている方は、ぜひ参考にしてください。
女性のボディメイクとは
ボディメイクとは、その人にとって理想的なボディラインを作り上げることです。なりたい体形を目指して、トレーニングや食事改善で引き締まった健康的な体に整えていきます。ウエストシェイプやヒップアップなど、ターゲットの部位にアプローチしたトレーニングをおこなうのが特徴です。
ボディメイクとダイエットは違う?
ボディメイクがダイエットと違う点は、最終的な体形の仕上がりです。ダイエットは体重を減らすことを目的としていますが、ボディメイクは筋肉を美しく整えて理想の体形になることを目指して筋トレや食事改善をおこないます。美しいボディラインを作るために、脂肪を落として筋肉を引き締めるだけでなく、必要に応じて筋肉をつけることも重要視されます。
ボディメイクで得られる効果
ボディメイクでは体を正しく整え、必要な筋肉を増やします。そのため、体力アップはもちろん、基礎代謝を高める効果も得られます。
血行促進や脂肪燃焼に加え、体のバランスが改善される効果も期待できます。
ボディメイクのメリット
ここからは、ボディメイクのメリットについて見ていきましょう。
気になる部位を引き締められる
ボディメイクの部位別トレーニングによって、気になる部位を引き締められます。なぜなら、部位に適したトレーニングによって筋肉が活性化し、脂肪燃焼しやすくなるからです。女性のおなかや太ももといった、痩せにくい部位をしっかりシェイプアップします。
理想のボディラインを手に入れられる
ボディメイクは、なりたい理想のボディラインを作り上げられるのがメリットです。その人にとっての理想の体形をイメージして、引き締める部位と出るべき部位の筋肉バランスを美しく整えることができます。つまり、自分だけのオーダーメイドのボディラインを手に入れられるのです。
痩せやすい体質になる
ボディメイクによって筋肉量が増えると、基礎代謝がアップして痩せやすい体質になってきます。筋肉は体の中の糖質と脂質を分解させて熱を発生させる役割を担っています。そのため、筋肉量が多いほど糖質と脂質が燃焼されていき、痩せやすくなるのです。
姿勢が良くなる
トレーニングで筋肉がつくことにより姿勢が良くなります。背筋や腹筋などが鍛えられると、背筋が伸びて正しい姿勢を維持しやすくなるからです。ボディメイクは姿勢を良くして、猫背の予防や改善にも役立ちます。
健康的な生活習慣になる
健康的な生活習慣が目指せることもボディメイクのメリットの一つです。ボディメイクでは、トレーニングの効果をより高めるために、食事や睡眠の時間を決めて規則正しい生活を心がける必要があります。その結果、ボディメイクを通して健康的な生活習慣が身につくようになります。
肩こりの緩和・改善効果が期待できる
ボディメイクは、肩こりの緩和や改善も期待できます。肩こりの原因は、筋力の低下と筋肉の柔軟性の欠如です。部位別のトレーニングで頭や肩を支える筋肉を強化すれば、固まった筋肉が柔軟に動くようになり、肩こりが改善に向かうでしょう。
美容効果が期待できる
ボディメイクは、エイジングケアなどの美容効果も期待できます。なぜなら、トレーニングによって新陳代謝が促進されることで、肌のターンオーバーの周期が整うことが期待できるからです。ターンオーバーの乱れが整うことで、透明感のある若々しい肌を保つことができます。
ボディメイクの効果を得るにはどのくらいかかる?
ボディメイクの効果を得るには、約2〜3カ月かかるといわれています。一般的にトレーニングを始めてから1カ月程経つと、少しずつ変化が表れてきます。筋肉を発達させるにはある程度の期間が必要となり、目標や計画を立て続けることが大切です。
ボディメイクの目標と計画の立て方
ここでは、ボディメイクにおいて重要なトレーニングプランの目標と計画の立て方、さらに食事プランのポイントについて紹介します。
トレーニングプラン
- 目標設定:引き締めたい部位など、自分の目標を決める。
ここで重要なのは最終目標と中間目標を設定することです。中間目標を立てることで、挫折せずに続けやすくなります。 - スケジュール:週に何回トレーニングをおこなうか計画を立てる。
部位ごとに鍛える筋肉を変える「トレーニング分割法」を取り入れ、週3〜5回トレーニングをおこないましょう。 - トレーニング法:目標に適したトレーニングを選定する。
筋トレやストレッチ、有酸素運動をバランスよく組み合わせます。 - 状態の分析:トレーニングの成果を定期的に分析する。
「引き締まらない」「筋肉がつかない」場合は、状態に合わせてトレーニングの強度設定などを調整します。
食事プラン
- 必要な栄養素:筋肉を作るために必要な栄養素を摂取する。
タンパク質・炭水化物・脂質・ビタミン・ミネラルをバランス良く摂ることが大切です。これらの栄養素が含まれる食事メニューを考えましょう。 - カロリー管理:カロリーの摂り過ぎに注意する。
トレーニングにはエネルギーが必要ですが、消費しきれないカロリーは体脂肪になるため、糖質や脂質が多く含まれる食事になっていないか確認しましょう。 - 食事の摂り方:筋トレに効果的な食事プランを立てる。
筋トレ前はエネルギー源を蓄えられる炭水化物を中心としたバランスの良い食事がおすすめです。また、トレーニング後はタンパク質と糖質を一緒に摂ることで、筋肉がつきやすくなります。
自宅でできるボディメイクのトレーニング
女性が自宅でできるボディメイクのトレーニング法を紹介します。トレーニングによって効果のある部位がそれぞれ異なるため、目的に合う方法を試してみてください。
ナロープッシュアップ
ナロープッシュアップは上腕三頭筋と大胸筋に効果があります。上腕三頭筋は二の腕の裏側にある筋肉です。二の腕の引き締めやバストアップに効果を発揮します。
【ナロープッシュアップのやり方】
- 肩幅程度に開いた位置に手をつく
- 肩甲骨を寄せ、背筋を真っすぐにして構える
- 2の状態をキープして体を下ろす
- 体を下ろしたら、反動を使わずに肘を伸ばして体を押し上げる
※体勢が崩れるようなら、膝をついてもOK
20回を目安に3セットおこないましょう。
リバースディップス
リバースディップスも上腕三頭筋を鍛えられる椅子を使ったトレーニングです。
【リバースディップスのやり方】
- 背中の後ろに椅子をセットする
※キャスターが付いていない固定タイプの椅子 - 両手を肩幅程度に開き椅子につける
- 足を前方に置き、腕を伸ばしてお尻を浮かせる
- 両肘を曲げながら腰を落としていく ※肘が90度になるまで
- 肘を伸ばしながら、元の位置に押し上げる
20回を目安に3セットおこないましょう。
バックエクステンション
バックエクステンションは、背中全体の筋肉を鍛えられるトレーニングです。特に背筋に沿うようにある「脊柱起立筋」を強化することができます。くびれのあるメリハリのついた背中を作り上げます。
【バックエクステンションのやり方】
- 床にうつぶせになり、両手を顔の横に置く
- 両足を開き真っすぐに伸ばす
- 息を吸いながら上半身と両脚を床から浮かす
※無理に反らさない、床から数センチ程度でOK - 3の状態で2~3秒間キープする
- 息を吐きながら体を床に戻す
20回を目安に3セットおこないましょう。
ツイストクランチ
ツイストクランチは腹筋にひねりを加えたトレーニングで、腹斜筋を強化できます。おなか周りの脂肪が燃焼しやすくなるため、ウエストのくびれを作るのに効果的です。
【ツイストクランチのやり方】
- 仰向けになり両ひざを立てる
- 両手を頭の後ろで組み、腕を左右に開く
- あごを引き、息を吐きながら上半身を丸める
※肩甲骨が床から離れるまで - 右肘を左足の太ももに近づけるように上半身をひねる
- 4の状態で3~5秒間キープする
- 息を吸いながら上半身を元の位置に戻す
- 反対側も同様におこなう
※10回を目安に3セットおこないましょう。
プランク
プランクは体幹を鍛えるトレーニングです。腹筋やインナーマッスルが鍛えられるため、おなか周りの引き締めに効果を発揮します。
【プランクのやり方】
- 腕を肩幅程度に開き、足を伸ばしてうつぶせになる
- 両肘と上腕を床につけた状態で上半身を起こす
- つま先を立てて下半身を持ち上げる
- 頭・背中・腰・かかとが一直線になることを意識して10~30秒間キープする
※3~5セットを目安におこなう
スクワット
スクワットは、下半身の筋肉を強化するトレーニングです。太ももの前にある筋肉やお尻の筋肉、骨盤周りの筋肉を鍛えられます。引き締まった美脚やヒップラインが作れます。
【スクワットのやり方】
- 肩幅よりも広めに足を開き、つま先を外側に向けて立つ
- 手は胸の前で伸ばす、もしくは頭の後ろで組む
- 胸を張り背筋を伸ばした状態をキープする
- 息を吸いながら膝が90度になるまで2~3秒でしゃがむ
- 息を吐きながら2~3秒で立ち上がる
※20回を目安に3セットおこないましょう。
ジムでできるボディメイクのトレーニング
ここからは、ジムでマシンを使った代表的なボディメイクのトレーニング法を3つ紹介します。
デッドリフト
デッドリフトは、背中と下半身の筋肉を中心に鍛えることができるトレーニングです。バーベルを持ち上げることで、脊柱起立筋や広背筋、腹筋、大殿筋などが強化され、美しい姿勢と引き締まったボディが手に入ります。
【デッドリフトのやり方】
- 床のバーベルを両手でつかむ
- 中腰になり背筋を伸ばす
- バーベルを落ち上げながら一気に直立姿勢になる
※初心者は軽い重量から試して、正しいフォームを修得することが必要です。
※女性の平均重量は約30㎏です。10回を目安に限界を見極めて回数を調整しましょう。
レッグプレス
レッグプレスは、下半身の筋肉を鍛えるトレーニングです。大腿四頭筋やハムストリングス、大殿筋が鍛えられるため、美脚や引き締まったヒップラインを作るのに適しています。
【レッグプレスのやり方】
- 重さを設定して座る
- 膝がつま先より低くならないようにプレートに足をつける
- 膝が伸びきる手前まで足でプレートを押し出していく
- ゆっくりと元の位置に足を戻す
- 2~4を繰り返す
※8〜12回を1セットで、1分間の休憩をはさみながら3セットおこないましょう。
ベンチプレス
ベンチプレスは、バストの下にある胸筋群を鍛えられるトレーニングです。また、上腕三頭筋も同時に鍛えることができるため、バストアップと二の腕の引き締めに効果を発揮します。
【ベンチプレスのやり方】
- フラットベンチに仰向けになる
- バーベルを肩幅よりやや広めの位置で握る
- みぞおちあたりにバーベルを下げていく
- バーベルが胸についたら上に押し上げる
- 3~4を繰り返す
※女性の平均重量は約20㎏です。12回を目安に3セットおこないましょう。
ボディメイクのための食事メニュー
ボディメイクに効果的な食事メニュー例をいくつか紹介します。参考に1週間のメニューを考えてみてください。
朝食
栄養素が豊富に含まれる玄米や全粒粉パンを主食に取り入れましょう。
【朝食の食事メニュー例】
①玄米・豆腐のみそ汁・鮭・納豆
②玄米・根菜のみそ汁・卵焼き・サラダ
③全粒粉パン・豆乳スープ・ゆで卵・フルーツ
昼食
朝食と同様、玄米や全粒粉パンをメインに食事メニューを立てましょう。鶏むね肉やささみなどを取り入れたメニューがおすすめです。
【昼食の食事メニュー例】
①玄米・野菜のみそ汁・チキンステーキ・冷奴
②ささみ和風パスタ・野菜スープ・サラダ
③全粒粉パン・野菜スープ・鶏むね肉サラダ
夕食
夕食はカロリーを抑えたあっさりメニューを考えましょう。
【夕食の食事メニュー例】
①玄米(茶碗半分)・豆腐とわかめのみそ汁・焼き魚・小松菜のおひたし
②玄米(茶碗半分)・野菜のみそ汁・棒棒鶏
③全粒粉パン・ロールキャベツ・きのこスープ・サラダ
間食
ボディメイク中の間食は、タンパク質や植物繊維が豊富で低糖質のものを選ぶのがおすすめです。
【間食の例】
①プロテインバー
②ヨーグルト
③チーズ
ボディメイクの効果を高める方法
ボディメイクの効果をより高める方法について紹介します。
部位別に分けて筋トレする
ボディメイクは部位別に分けて筋トレするのが効果的です。トレーニング分割法には、上半身と下半身で分けておこなう「2分割法」や、胸・背中・足・腕に分ける「4分割法」があります。自分の目的やスケジュールに合った方法を取り入れましょう。
有酸素運動をおこなう
筋トレの後は有酸素運動をおこなうのがおすすめです。トレーニングで燃焼しやすい状態になっているため、より体脂肪の燃焼を促す効果が期待できます。
水分を多めに摂取する
水分を多めに摂ることで血液の循環が良くなり、酸素と栄養素が筋肉に届くようになります。筋肉を成長させるには酸素と栄養素が必要なため、水分補給をしっかりおこなうことで筋トレのパフォーマンスが向上します。
睡眠時間を十分にとる
筋トレ後に十分な睡眠をとることは筋肉を発達させることにつながります。なぜなら、筋トレで破壊された筋肉は睡眠中に分泌される成長ホルモンによって修復されるからです。修復された筋肉は、より強い筋肉として生まれ変わります。
ボディメイクの注意点
ボディメイクを成功させるには、以下の注意点も理解しておくことが必要です。
過度な糖質制限をしない
ボディメイクを成功させるためには、過度な糖質制限をしないことが大切です。糖質はエネルギーの元となる栄養素のため、必要な糖質がなくなると、代わりにタンパク質が分解されてエネルギーとして利用されます。その結果、筋肉量が減少したり基礎代謝が低下したりしてしまうのです。
体を冷やさない
体の冷えは新陳代謝を悪くして痩せにくい体になってしまいます。冷たい飲み物や食べ物を控えて、夜はお風呂につかり体を温めるのがおすすめです。
女性のからだは筋肉量が少なく、冷え性の方が多い傾向にあります。日頃から冷え対策を心掛けるようにしましょう。
休息をとる
ボディメイクは休息をしっかりとることも必要です。ストレスや睡眠不足は、体調の乱れや肥満につながります。6~7時間睡眠がとれるような生活リズムを心掛け、休息を組み込んだスケジュールを立ててください。
まとめ
ボディメイクを成功させるためには、目的に合わせたトレーニングを組み合わせて継続することが大切です。また、食事や生活習慣の改善も必要となってきます。今回紹介した自宅でできるトレーニングや食事メニューなどを参考に、プランを立ててみてはいかがでしょうか。
「一人では続ける自信がない」「プランやスケジュールの立て方がわからない」という場合は、ジムで目的に合ったプランをアドバイスしてもらうのがおすすめです。
自分に合った方法で理想のボディラインを目指しましょう。